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厨黒 - ちゅうくろ -

"厨"ニ病に冒された男が"黒"歴史を綴る、そんなブログ。

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誤解ありき



 人間としての知能が不完全かもしれない可能性がある。そういう疑問を持ち始めたのはかなり早く、それこそ幼少期のころから割かし自覚していたように記憶している。自分は本当に人間なのかという哲学じみた悩みを抱えていた時期もあった気がする。

 一応、社会人のつもりなのだが、そんな疑惑を拭い切れない事柄があまりにも多い。

 例えば、ある会社に勤めていたときの話。上司の用意した書類に目を通したとき、誤字が目に付いた。定時も近いし、修正を急がなければ。そんなとき、露骨に、直接的に指摘するのを避けようと思い、オブラートな言葉を選んだ結果、「時間が押しているかもしれませんが、少々文言が気にかかります」と報告。

 曖昧なことを言ってもいけない。誤字の箇所を指摘しなければ、と言葉を紡ごうとするも、上司はまるで得体の知れないものを見るような目でこちらを睨む。時間もないし、嫌気が差したのかもしれない、と「すみません、よろしいでしょうか」と繋ぐ。

 この時点で、自分の中では満点と言わないにしても、自分なりに頭を回した応対によりコミュニケーションがとれたものと、勘違いしていた。ところが、結果は0点だ。上司は憤慨。当然、勘違いしている自分には理由が理解できない。

 上司にダメ出ししたのが悪かったのか、定時近くに課題を押し付けたのが悪かったのか、そんな誤字程度なんて気にするほどのこともなかったのか。色々と思考は巡るも、いずれも違った。上司は、自分の言動を聞いて、全く見当違いな解釈をしていた。

「定時前ですが、帰ってもよろしいでしょうか」という風に聞いてとれたらしい。

 当然ながら、それは誤解。しかしそう誤解していることに気づかない。自分の視点では、「誤字の確認を拒否されている。どうしてだろう」としか捉えられない。「あの、誤字が、ですね……」としどろもどろに言ってもみるが、まるで通じない。

 それどころか、上司のその上にまでどんどん伝わっていく。「新入社員が五時だから帰りたがっている」などと言い出す始末。そんなことは一言も言っていないはずだ。「早く帰らないと親に怒られるそうだ」とまで言われてしまう。一体何処でこじれたのか。

「時間が押している」「文言が気にかかります」「よろしいでしょうか」「誤字が」

 自分の発言はこの程度のもののはずだが、どう解釈されてしまったのか。答えの一つは自分の勘違いにあった。

 書類の誤字に対して、かしこまるつもりであえて文章や誤字と表現しなかった「文言」。読みは「もんごん」なのだが、実はこのとき、自分は間違えて「もんげん」と言ってしまっていた。それがとどのつまり、どういうことなのか。

「時間が押している。もんげんが気になる。よろしいでしょうか。ごじ」

 上司への言葉は、こう伝わったのだろう。

「時間が押して、門限が気になります。五時ですがよろしいでしょうか」

 門限というと大体親が定めた時間で、その時間までに帰ってこい、と子供に言いつけるものだ。五時が門限だからよろしいか、などと伝わると「親が五時に帰ってこいと言っていたので帰ってもよろしいですか」となってしまう。成人した社会人が何を馬鹿なことをほざいているのかと。

 そういう紆余曲折が色々、色々とあり、後日その会社はクビになった。

 誤解があったなら、解けば済む話なのだが、一度誤解されてしまうと、そこからのリカバーができない。そうして誤解は連鎖していき、嫌な印象を植え付けて、取り除けなくなる。もっと良い言葉の表現があれば、もっと明確な言動であればなかった話。

 この手の話は実に多い。愚痴も溜まる。

 仕事場の同僚に「昔、働いてたところでね……」みたいに溢したこともあって、それが何故か上司の耳に届き、「聞いたぞ。お前、別のところでも働いているのか。それは辞めてもらえないか」といった心証潰しなんかもあった。やはり後日クビ。

 とあるところで遺失物があり、警察署から連絡が届き、昼休みを利用して取りに向かおうと思い、その場にいた者に伝言残したり書置き残してから行くも、どう解釈されたのか「警察の世話になるなんて。しかもこんな平日に」などと言われて信用損なった話もある。これも後日クビになった会社の話。

 おかしいな。そんな奇妙で珍妙な言動はしているつもりはないのに、誤解されていくばかり。弁解も通用しないなんてどういうことなんだろうか。そういうところで頭が動かない。理由が、原因が、究明できない。普通にありえる話なのか?

 しかし、現実、仕事の失う数は増えていく一方。真っ当な人間だったら、ありえないはずだ。誤解があっても弁解できる、はず。それが自分にはどうやってもできない。

 自分は本当に、知能を持った人間なんだろうか。
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