自分の人生が薄っぺらい、という風に思っている節がある。
芸能人だったりアーティストだったり、活躍してきた人のインタビューなんかに目を通すからそういうことを思い始めてしまうのかもしれない。そういう人は大体幼少期や学生時代に何かのきっかけで何かに触れ始めて、続けていたら今に至った、という話が多い。
親に習い事とかを押し付けられて、それを趣味にしていたら気付いたときには有名になっちゃったとか、そういう話。友達に誘われて一緒に活動していたらメジャーデビューしちゃったとかそういう話。
じゃあ、自分は何をしてきたのだろうか。
幼少期や学生時代に打ち込んだ何かって、あっただろうか。妄想して、妄想して、妄想して、なんか物語ができて、やっぱり妄想して、妄想して、妄想して、一体何をしていたのだろうか。青春を青春していただろうか。ずっと妄想しかしてなかった気がする。
おそらく自分の頭の中では地球の何倍もの広さを持つ広大な世界の中、頼もしい仲間たちを引き連れて、想像絶するような巨悪の面々たちとの戦いを繰り広げていたのだろうが、現実ではそのようなことがあるはずもなく、平々凡々と時を過ごしていた。
もう少し現実と向き合えよ、と今更ながらに思う。
もっと奇跡といえるような煌びやかな出来事はなかったものだろうか。
小学生時代の演劇で最後のフィナーレで落ちてくるはずだった紙吹雪が雑な切り口だったせいで、まさに本番中、舞台の上でいくらふるいを振っても落ちず、「おいおい紙吹雪はまだかよ」という険悪なムードになりつつあったときに、偶然地震が発生して、ドン!と紙吹雪が落ちてきた、なんてことはあった気がする。
中学生時代にトイレを血まみれの血だまり状態にしてのたまわってしまい、原因不明の奇病か何かとおどおどし、現実そうでもない死の恐怖という幻に苛まれ、さらには自分が選ばれし何者かなのかという謎の厨二病まで発症してしまい、結果としてものすごく恥ずかしい勘違いをかなりの期間長引かせてしまった、なんてこともあった気がする。
高校生時代の文化祭でクラスメイトに誘われるがままにミスコンテストに出場するも当日、その相方たるクラスメイトに病欠されてソロデビューするハメになった挙句、何故か決勝まで進んでしまい、そこで待ち構えていたメイド服の先輩が現れて無残に敗退するなどという空しい出来事とかもあった気がする。
しかし、一体それらが自分の人生の今に至るまでにどんな影響を及ぼしたのだろう。やっぱり薄っぺらいんじゃなかろうか。世の中、もっと面白い人生を歩んでいる人ばかりなんじゃなかろうか。
それを思うと、なんとも羨ましい限りである。
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