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厨黒 - ちゅうくろ -

"厨"ニ病に冒された男が"黒"歴史を綴る、そんなブログ。

映画を純粋に楽しむことのできない男



 「アナと雪の女王」という映画をつい先日DVDをレンタルして初めて観た。

 比較的、子供向けなアニメ作品だと小難しい設定を入れ込んだりしないので、自分としてはそういう作品の方が好みではある。果たして、アナ雪はそういう作品なんだろうか、と思いつつも視聴していった。

 物語の展開としては、とある王国の娘たちである氷の魔法が使える姉・エルサと、その妹・アナが幼い頃、こっそり魔法で遊んでいたところ、エルサの手が滑ってアナに氷の魔法を当ててしまったところから始まる。

 見る見るうちにアナの体は冷たくなっていき、両親の国王と王妃に助けを求め、魔法に詳しいトロールの住まう森へと急ぐ。そしてトロールの長が言うには、頭に魔法を受けてしまったので、頭から魔法を取り除くために記憶ごと消さなければならない、らしい。

 結果として、アナはエルサと楽しく遊んだ記憶だけは残ったものの、エルサが魔法を使えることや、魔法を受けてしまったことなどはキレイさっぱり忘れてしまい、一方のエルサはアナに危害の及ばないよう、極力隔離されて過ごすことに。

 国王も何を危惧してか、王国そのものを完全に閉鎖し、召使いをも減らし、二人の姉妹を国の外に出さないようにした。それから数年経ち、何故か国王と王妃は船旅に出て行き、嵐に呑まれて死亡する。

 正直、この辺りの展開まではほとんど説明が少ない。氷の魔法が使えることをこれまで危惧しなかったのも割と不思議に思うところはある。一応、日に日に氷の力が強くなってきているといった話はあったので、これ以上危険が及ばないようにということなのかもしれないが。

 もうちょっと説明がほしかったのは、閉ざされた国の国王と王妃がどういう理由で船旅に出たのかも何も言及されていない。場面がホイホイ切り替わっていって、何か旅に出て行って、船が転覆したシーンになっていた、というのが率直な感想だ。

 エルサの力を抑えるために遠くの国へその方法を探しに行ったのか、あるいは鎖国してしまって輸入もろくにできていないからついに痺れを切らして他国へ外交することになったのか。まあ、こういうところを言及すると話がやや複雑になってしまうから省いたのかもしれない。

 かと思えば、その両親が亡くなった次の場面では唐突に戴冠式の朝に切り替わる。

 現国王がいなくなったのだからそうもなるだろうが、これまで城を閉鎖していたのにも関わらず、何事もなかったかのように窓から城門まで開放していって、大丈夫なのだろうか、と思った。大人になったアナはやっと閉ざされた城が開放された、と大喜び。一方の姉のエルサは不安いっぱいの様子。

 エルサが女王になるという流れなのだが、果たして、ここまでの段取りを誰がやってきたのだろうか。ろくに召使いもいなかったはずなのに、何処から現れたのか、誰が指示を出していたのか、戴冠式を開くべく、お城を掃除しているシーンが流れていた。

 大臣らしき人も見当たらなかったし、アナも城に閉じこもりきり、エルサも城どころか魔法のことがバレないように自室に閉じこもりきりだったのだから、国王と王妃がいなくなったら、そういう国を動かす人がいないはずなのだが、これはどういうことなのだろうか。

 まあ、劇中では「召使いを減らす」というセリフはあれども、「この城には何人も入れさせない」などといったことも言っていなかったので、多少なり事情を知っている召使いを残していたのだろう。そうでもしなければ、この物語は姉妹が城に引きこもったまま終えてしまう。

 なんにせよ、お姉さんのエルサが女王様になるし、閉ざされた城も開放されるってもんで、アナはウキウキ気分で、付き人もなしに城下町へ飛び出していく。一応、王女様なんだから誰か止めてもいいような気もするが、城の人間もみんな戴冠式の準備で忙しかったのだろう。

 さて、アナも浮かれすぎてて注意力が散漫だったのか、突然角から飛び出してくる馬に気づかず、衝突事故。おっと危ない程度で済み、アナも自分の不注意を謝罪。そして、見ると馬に乗っていたのは南諸島の王子様・ハンス。見ず知らずの女性だというのに紳士的に振舞うなかなかに優しく心遣いのある王子様だ。

 王子と王女が街角で出会う、王道的でいい展開だ。御伽噺をそのまま絵に持ってきたかのようにキレイなワンシーン。

 お互いの身分も明かし、いよいよ戴冠式が始まる。

 エルサは教会にて、民衆が見守る中、国の宝具を掲げるという儀式を執り行うわけだが、大人になっても未だ魔法の制御ができていないエルサは素手でものに触れると凍結させてしまう。これでは魔法のことがバレてしまう。

 何とか誤魔化すために、手袋をつけたものの、神父様に「手袋を外してください」などと言われてしまうからさあ大変。やはり神聖なるもの。手袋ごしに掴むなど、まるで汚物に触るような扱いをしてはいけないということか。エルサも慌ててサッと掲げて、サッと戻す程度で儀式も何とか無事に終了。

 また、多少なりこの辺でも疑問が増えてきたのだが、エルサが魔法を使えることに関して、知っている人間はそんなにいないのだろうか。国を閉ざす前にはふざけて遊んでたくらいには使ってたわけだし、召使いとか他にも知っている人はいそうなものだ。

 国の関係者も皆口裏をあわせて、エルサが魔法が使えることを隠している、と解釈することもできるが、それだったら戴冠式くらいそういう誤魔化ししてもいいような気もするし、結構危ない橋を渡っているような感じに見えた。

 何せ、エルサの周囲には付き人も誰もいなかったし、フォローをするような人間も見当たらなかったので、おそらく魔法が使えることを知っているのはエルサ本人だけ、という線が濃密だ。

 戴冠式のパーティでは、他国の方々も訪問し、大賑わい。エルサとしてはこのまま穏便に済ませればそれでよかったくらいに思っていたが、そんな思いも露とも知らず、アナとハンス王子の二人はこっそりとパーティを抜け出し、二人の世界へ。

 こんな素敵な人がいたなんて、と二人は相思相愛。さらには、ハンス王子から婚約まで迫られ、アナの幸せは絶頂にまで上り詰めていたといってもいい。ハンス王子と一緒にこの城で暮らしたいとまで言い出すものだからエルサは大困惑。

 魔法が使えることがバレるわけにはいかない。エルサも断らざるをえない。それでも引かないアナに、エルサの胸中は複雑だ。感情が高ぶり、制御が利かなくなったのか、パーティ会場で魔法を放ってしまう。ここまで隠し通せていたのに、とうとうバレてしまう。

 もうこれ以上は無理だと思ったのか、エルサは城から抜け出して、いずこへと去っていってしまう。その間もエルサの魔法は暴走し、国中がエルサの魔力によって凍結。このままではこの国は永遠の冬のまま。

 姉を追い詰めてしまったことに責任を感じたのか、アナは一人でエルサを追いかけることを決意し、ハンス王子に国のことを全部任せ、馬に乗って山へと登っていった。

 婚約したとはいえ側近の人間ではなくいきなり他国の者に国を任せるのも結構な話だし、幼い頃からずっと城に引きこもっていたアナが何の練習もなしに乗馬していくのも相当凄いなと思った。

 残されたハンス王子も「これでこの国は俺様のものだ、グッヘッヘ」とはならず、生真面目にも吹雪に苛まれる国民を守るべく、本来は貿易のための品々を配るという聖人のような働きっぷり。損害がとんでもないことになりそうなものだが、王女アナに頼まれたとあっては手を抜けないと言わんばかり。

 そんな王子が期待以上の働きをしている一方、エルサを追いかけて山に登ったアナは、雪にズボっと足を取られて驚いた馬に逃げられてしまい、徒歩で登山するはめに。行く当てもなく、凍えような服装でさまよっていると山の中にお店を見つけ、助かったと言わんばかりに入店。

 劇中では季節は夏だったせいか、この猛吹雪の中、取り揃えている商品は夏向けのグッズばかり。品薄だった冬用のグッズを購入しよう、としたそのとき、新たな客の来店。

 北の山から氷を調達することをなりわいとした氷の専門家クリストフだ。話を聞くところによると北の山の方が凄い吹雪いてきたそうで、それで察したアナは北の山にエルサがいると確信し、なんやかんやいざこざはあったが、クリストフに北の山までの案内をお願いすることに。

 なお、このクリストフ青年。何気にOPにも登場していたし、冒頭で氷の魔法を受けたアナがトロールに助けを求めていたという現場もこっそり目撃している重要人物だ。最初からチラチラと姿を見せていたので、何処かでまた出てくるんだろうな、というにおいをプンプンさせていた。

 重要人物が旅の仲間に加わり、いよいよ物語が加速していく。森の中で狼の群れに襲われたりと冒険もしつつ、仲間割れもしつつ、新たな仲間も加わりつつ、アナはエルサのいる場所へと辿り着いた。

 そこは、エルサの魔法によって作り上げられた氷の城。この城が作られるシーンは非常に有名なシーンでもあるだろう。映像的にもそうだし、劇中の歌の評価も高い。PVやCMでこのシーンだけは見たことあるという人もいるんじゃなかろうか。

 さあ、アナがエルサと再会。実はエルサの魔法のせいで国が凍結してしまったという話を聞き、連れ戻そうとするアナ。しかし、エルサには氷を溶かす方法が分からない。もう放っておいて! もう帰ってと、雪のゴーレム・マシュマロウを生み出し、アナと、その仲間たちを追い払う。

 これからどうしよう。アナがクリストフと相談していたそんな時、アナに異変が。先ほどエルサと口論していたとき、胸に氷の魔法を受けていたらしい。髪の色も白くなり、体も冷たくなっていく。こうしちゃいられない、とクリストフはトロールの元へと急ぐ。

 一方その頃で、国を任されていた南諸島のハンス王子は、山からアナが乗っていたはずの馬が大慌てで戻ってきたのを目撃し、これはアナに何かがあったのでは?と町で有志を集め、家来たちも連れ、アナを助けに行くべく自分も山へと登っていくことに。

 そして、ハンス王子は氷の城の番人となったマシュマロウを崖の下へと落とし、氷の城の主エルサとまた出会う。そうして一悶着あり、戦闘の結果、気を失ったエルサを連れて帰り、城の地下へと幽閉する。悪いようにはしない、と口約束も交わす。

 で、トロールの元に辿り着いたアナとクリストフ一行はそこで、重要な話を聞かされる。数年前は頭に魔法を受けたから頭から魔法を取り除いたが、今度は胸に魔法を受けてしまった。胸、つまりハートの氷の溶かすには真実の愛が必要なのだと知る。

 なるほど、真実の愛。ここにくるまでにアナはハンス王子との真実の愛を語っていた。つまり、アナは王子とキスを交わせば治るんだ。よし、急いで城に戻ろう。そして、王子に口付けしてもらうんだ、と、こうなる。

 話の流れには疑問はないわけだが、時系列が少々おかしなことになっているような気がしないでもない。

 まず初めにエルサが城を飛び出して、徒歩で山に登り、それを馬で追いかけたアナはエルサに追い付くことなく、すっかり氷の城が完成した頃に辿り着く。

 少なくともアナはパーティドレスの格好のまま防寒具一つ身に付けずに山に向かったので、支度がなかった分、結構早かったはずだが、雪によって徒歩のエルサよりも牛歩だったと考えるのが妥当なのだろうか。

 まあ、そもそもエルサが何処に行ったかも知らなかったわけだし、全く見当違いの方向に向かっていたと考えるべきか。

 次に、ハンス王子。南諸島出身で雪国に慣れていなさそうな彼が、馬で北の山の山頂まで辿り着き、下山も果たしている。しかもその間、一度もアナと出会っていない。

 馬で追いかけたのだから何処かで追い付く可能性もあるし、下山するにしても先にエルサの元を離れたアナ達よりも先に下山するというのも結構妙な話だ。

 一応、アナ達はトロールの元に寄り道もしているし、距離的に大きなラグがあったのかもしれない。ハンス王子たち一行も運よく北の山まで極力短いルートで辿り着いたのかもしれないし。

 場面の切り替えだけ見ると、アナたちの移動は恐ろしく遅く、ハンス王子たちの移動は恐ろしく早く感じる。考え方としては上記のルートが違った説が有力か。

 他には、引きこもっていたアナには乗馬の技術がなかったから遅かった、またハンス王子たちは乗馬の技術があったから早かったとも考えられる。あと、アナは途中で山の店にも立ち寄っているし、トロールの集落でも結構時間つぶしている。案外この辺は整合性はとれるのか。

 そもそも町の中で有志を募っていたのだから冬の雪山の事情に詳しい人が一向の中にいた可能性も否定できない。つまり、王子たち一向は有能な集団だったため、移動が早かった説がしっくりくるか。

 何はともあれ、アナたち一向はハンス王子たちの待つ城へと帰る。お見送りご苦労の一言もなしに、クリストフもその場を静かに去っていく。何故か本当に寂しげなムードを出しながら。

 そしてよれよれとした足取りのアナはハンス王子の顔を見るなり「お願い、キスして!」と迫っていく。こうして真実の愛によってアナの魔法は解ける。ハッピーエンド。

 となるのが御伽噺だが、意外にもハンス王子、これを断る。

 ハンス王子は王女と結婚して国を則るつもりだったんだ、と告白。エルサも事故でなくなったことにするつもりだったとか。

 真実の愛なんて毛頭ないからアナを治せないと悟ったのか、わざわざ暖炉の火を消して、冷たい部屋の中にアナを残し、家来やら国の者の前で「間に合わなかった、アナは魔女の呪いで死んでしまった」などと大ボラ吹いた挙句、「婚約してくれた」とまでとってつけたのように言い出す。

 それを家来たちは「なるほど、疑いの余地もない」とそのまま素直に受け取ってしまう。

 そして、城の地下に幽閉しておいたエルサを殺して、「この国は俺のものだ、ヒャッハー」とでもしようとしたっぽい。

 実に奇妙な流れだ。ここまでのハンス王子の行動を思えば、王女だと知らなかった見ず知らずのアナにあれほどまでに優しく接し、突然アナに国を任されるも見事に遂行し、山へ行ったはずのアナの危険を察知して家来や有志だけでなく、自ら魔女のもとへと勇敢に立ち向かってきた。

 すばらしい王子を演じきっていたはずなのに、ここでまさかの裏切り行為。別にそのまま結婚してもよかったんじゃないの?って思ったところではある。

 確かに、アナに対して真実の愛がなかったら魔法は解けないし、その時点でアナに真実の愛がなかったことがバレる。そしてエルサを説得すれば凍結された国も元に戻るかと思えば、「私に任せて」と言い切ったアナにも説得失敗。それどころエルサ自身にも氷の溶かし方が分からない。

 王子の選択としては実際妥当なところか。愛がないならアナは結局死ぬしかないし、殺すしかない。本人にも氷の溶かし方が分からないなら殺すしかない。そういう判断になってしまうか。

 ここまで入念に良き王子を装ってきて、ここまで計画をへし折られては豹変してしまうのも仕方のないことか。

 王子も実は13番目の子。ここで婚約を破棄されたらもう王族としての信頼を失うことになる。必死だったのだろう。まあ、それでもアナにキスして「くっ……魔法は解けなかった。しかし、君への愛は本当のつもりなんだ、結婚してくれ」くらい言っておけば、アナも断らなかったんじゃないかなぁ、などと思ったりする。

 まあまあ、ハンス王子の見事な裏切り云々についてはさておいてだ。

 幽閉したエルサを殺そうとしたハンス王子だったが、牢屋はエルサの魔法によって破壊されており、脱出した後。早く殺さなくてはと王子は焦るばかり。

 そんな一方で、とぼとぼと山へ帰っていったクリストフは山道から城下町を見下ろすと、何やらとてつもない吹雪が渦巻いているのを目撃してしまう。もしや、アナが危ないのでは!?と察知して急いで再び下山。

 魔法で体も冷えて弱ったアナは、謎の望遠鏡(雪だるまのオラフ特製のつらら)によってクリストフが城に向かってきていることを知り、外へ脱出。

 こうしてエルサ、ハンス王子、クリストフ、アナの四人が吹雪の吹き荒れる凍った海の上に現れる。

 なんでわざわざ凍った海の歩いていたのかは不明である。壁を破壊して脱出したエルサとそれを追いかけたハンス王子ならともかくとして、城の異変を察知して下山してきたクリストフと、クリストフの姿を見かけて外に飛び出したアナまで凍った海の上を行かなくてもいいだろう。

 凍てつく吹雪の中、凍りついた船が倒壊していく海の上、死に物狂いでアナの元へと急ぐクリストフ。

 国のためにエルサの命を狙い、必死に追いかけるハンス王子。

 そこで、ハンス王子は精神的にも追い詰めるためか、エルサに「お前の妹はお前の魔法のせいで真っ白になって死んじまったよ!」的なことを言い放つ。それがよほどショックだったのか、猛吹雪が一瞬晴れ、周囲の景色が開けてくる。

 そしてアナの視界に移るのは、自分のもとへと駆けつけるクリストフと、今にもハンス王子に殺されそうなエルサの姿。迷わずアナはエルサの方に駆けつけて、ハンス王子の剣をその身で受け止める。

 と、都合よくアナはエルサの魔法によって完全な氷となってしまい、受け止めたハンス王子の剣は砕かれ、なんと無事にエルサの命は守られる。

 なんてことだ、自分の魔法で自分の妹がまたしても……、というシーンなわけだけれども、ここで命がけで駆けつけてきたクリストフは全くの蚊帳の外で、氷そのものになってしまったアナをエルサが優しく抱くと、なんということでしょう。アナの魔法が溶けて元に戻っていくではありませんか。

 そう、真実の愛とは、お姉さんの愛でした。

 いやいや。

 そして、真実の愛を知ったエルサは、突然魔法の制御できるようになり、凍結した国を元に戻しました。

 おいおい。

 ご都合主義という次元のものなのだろうか。ハンス王子が善良なる良き王子からただの小物の悪役になったかと思えば、ここまで散々助けてくれて今まさに命がけで駆けつけてくれたクリストフさえも、ただの脇役。

 呆れ果てて王子も「ハートが凍りついたんじゃなかったのか」とアナにツッコむも「氷のハートはアンタの方よ!」とガツンとパンチをお見舞いして、溶けた海の中に王子をドッボンと落とす。すると、港の方でそれを見ていた民衆たちは「やったぁ!」と大歓喜。

 なんでだろう。なんで、王子が殴られて海に落とされたのに、民衆は喜んでいるのだろう。

 確かに、王子は国を則ろうとしたかもしれないが、ただの悪役だったのかもしれないが、民衆のために尽くしてきただろう? 悪役としての顔を見せないまま、身を削って民衆のために働いてきたはずだろう?

 長いこと、鎖国していたから民衆の目線から見れば、他国の者である王子は最初から敵視されていたのだろうか。頑張ってきたけど、それはただのご機嫌取りだと薄々感じていたのだろうか。王女に色目を使っていたことがよほど腹立たしくて、王女のパンチを食らったことがそこまで痛快だったとでもいうのだろうか。

 よく分からないが、何はともあれ、国には夏が戻り、エルサは城の庭をスケートリンクにして民衆たちと楽しみました、ハッピーエンド。

 このオチもよく分からない。これまで魔法が使えることを隠してきて、バレたときには化け物だなんだと民衆たちに罵られていたのに、何処で和解したんだろう。何故か突然民衆にも認められていて、新しい女王様バンザーイみたいなことになっていた。

 ありのままの自分を見せつけて、自分は危険ではない、ということを示した、という解釈でいいのだろうか。ひょっとすれば、和解させるまで結構時間を要したのかもしれないが、最後のシーンで何事もなかったかのように受け入れられているエルサに疑問しかなかった。

 悪が去って事件は解決、大団円ならともかく、民衆の目線でいったら国全体を氷付けにした悪の権化がその場にいて、処罰されるわけでもなく、女王として君臨しているのだから実際解決といってもいいのか分からない。これは下手したら恐怖政治ではなかろうか。

 話の全体としては、氷の力を持っていたエルサがそれを隠すために監禁生活を送り続け、フラストレーションが溜まり、ついうっかり国中を凍らせてしまったけど、妹のアナの必死さに胸を打たれたら制御利くようになったので、なんだかんだ民衆から受け入れられました、と。

 自分を抑え続けなくてはならない監禁生活から打って変わって、ありのままの自分でいられるようになってよかったね、ハッピーエンドということでよろしいのだろうか。

 あまり納得のいくようなストーリー展開ではなかったように思う。

 しかし、氷や雪など、映像面で3D技術の進歩には驚かされるばかりで、架空の存在だというのに質感のリアリティさには感服だ。人形やぬいぐるみがそのまま生きて動いているような実物大の御伽噺。これを非難批判する人間は早々いないだろう。

 ストーリー面を、重箱の隅をつつくようにねちねちぐちぐち値踏みするような性根の腐った人間にはオススメしないが、純粋な心を持った無垢な方々には是非ともこの映像のすばらしさを堪能してもらいたいところだ。

 雪だるまが歩いたり喋ったりする御伽噺の世界観に心から飛び込めてこそ、この作品は楽しめるはずなのだから。
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